consultation 相談内容
はじめまして。
愛知県に在住の歯科衛生士です。
私の知人が先生の所に通院しているのと、HP拝見させて頂きました。
今現在、左上の6・7番がパーフォレーションで勤め先で抜歯とインプラントをすすめられてます。
6番は10年頃に近心根がパーフォレーリォンAFでリペアしてずっとコアのままでした。
最近7番が動揺があり再根治してオープンの状態ですが歯牙破折に近い状態と言われ10日たった今も痛みを伴い頓服を服用しています。
今年夏頃実家に帰省する予定なので、石川での治療を希望しております。
インプラントを行う場合こっち(愛知)で抜歯した方がよろしいのでしょうか?
抜歯と共に即時にインプラントの埋め込みをする事もあるとお聞きしたので。
ちなみに右下8番の水平埋伏ですが歯牙移植する事は可能なのでしょうか?
ご意見を伺いたくメールさせて頂きました。
担当医の回答
こんにちは。中嶋歯科医院の中嶋顕です。
ご相談のメールありがとうございます。
上顎の大臼歯がパーフォレーションと破折があって抜歯しなければいけないわけですね。
歯科衛生士をされているとのことなので、だいたいの知識があると思いますが、念のため簡単なことから説明させていただきます。
まず、抜歯してからインプラントを埋入するまでの間隔についてご説明させていただきます。
従来言われてきた、治癒期間は抜歯してから4ヶ月以上はあけるというものでした。ところが最近では抜歯即時埋入や早期埋入といって抜歯と同時、もしくは抜歯後数週間といった期間で埋入することもございます。
早い時期に埋入する理由は、治療期間の短縮と、審美的な理由からです。審美的な理由というのは、前歯の場合、抜歯後時間がたつと唇側の骨の吸収が大きくおこり、歯肉も退縮してしまうからです。よって前歯の場合には、抜歯後1ヶ月~2ヶ月でインプラントを埋入するというのが一般的です。
このことから、今回の場合、部位を考えると抜歯と同時に埋入するのは避けたほうがよいと思います。
しっかりと骨が治ってがら、つまり4ヶ月以上は経過してからインプラントを埋入したほうがよいと思います。しかも今回の場合破折があり、感染が大きいことが予想されますので、早い時期の埋入は危険です。
ただでさえ、上顎の臼歯部というのはインプラント治療の難易度が高い部位であり、埋入部位の条件や技術によって治療の予後が大きく変わってくる部位ですから。
インプラントはいれることが目的ではなく、これから長く使っていくことが目的なので、焦らず、待つことが治療だと思った方がよいと思いますよ。
長々と説明が続いてしまいましたが、結論は愛知で抜歯されてもかまいませんし、そのほうが治療期間は短くすみます。
ただし、インプラントが前提の場合、抜歯後の掻爬を徹底的に行う必要があり、そうしないと良い骨の治癒がおこりません。
もし、抜歯する場合には、お勤め先の先生にその旨よく伝えて、抜歯後の掻爬に時間をかけてもらってください。
続いて、右下8番の水平埋伏を移植することが可能かどうかですが、もちろんできる場合もございます。
ただし、8番の歯根の形態や移植する部位の骨の形態がミスマッチである場合不可能な場合がございます。
また形態的にマッチしても移植の成功率自体また、その予後はインプラントほど確実ではないことも事実です。
あとは移植を行う場合には上顎の抜歯は移植と同時に行うほうがよいことが多いので、抜歯はまだしないほうがいいですね。
インプラントと移植のメリット、デメリットはありますが、いずれにしても歯根の形態、上顎臼歯部の骨の形態を把握するためCT検査は必須です。
その上で移植にするかインプラントにするか決められてはいかがでしょうか。抜歯もそれからのほうがよいかもしれませんね。
移植を避けてインプラントにすることに決めるのであれば先程の説明のように抜歯しておいたほうがよいですが‥。
もしお勤め先の医院にCTがあるようでしたら撮影してデータを送ってもらえれば、もう少し詳しいご説明ができると思います。
もし、CTが撮影できる環境になければ、パノラマ写真でもある程度のことはわかりますので、送っていただけると助かります。
説明不足の点、疑問点がありましたらまたおっしゃってください。
ご連絡お待ちしております。